ちょっと写り込んでいるが、左にある絵に注目。このモデルは私である。
岐阜新聞のロビーコンサートで弾きながら歌っている姿を描かれたもの。
展示されているのは、岐阜の中心街、高島屋のすぐ近所にある八百屋さんの
店内。絵を描いたのは、そこの店長。
そう、最初はこの八百屋さんにお客として来ていた。今も、そうだ。
山菜やつくし・・・等、季節の地場の食材や手作り弁当が並ぶ小さな食品店。
高齢の方に人気である。看板娘も80代、お客様も同世代が多い、昭和を
思わせる味わいのあるお店。
私にとってもなんとも懐かしいレトロな品揃え、素朴な感じが気に入って、
また看板娘の妙子さんが母親と同じ世代ということでの親近感もあり、
母に会いに来るような感覚で、この3年ほど時々寄って、応援している。
そこの店長がなんと絵を描かれるとのことで、グループ展の案内を受けて
作品を見に行ったところ、なかなか精緻な作品で感心した。
店長はアーチストかあ。やるなあ。
聞いてみると、最近になって絵を習い始め、描くようになったとのこと。
年齢は60代後半か。どうやらモノを作ったりされるのが得意な方のようだ。
もちろん才能があるのだ。そうでなければ、という出来栄え。
とても作品づくりに熱心で、「次は何を書こうかと思って・・・」
毎週絵の教室に行き、先生の手ほどきを受けながら仕上げていかれるようだ。
「わたし、立ってピアノ弾いて歌うんですよ」
「へえ、変わっとるなあ。一度見に行こうかな」
それから、店長はコンサートに見学に。演奏ももちろん聴かれていたが、
主目的は、絵のモデルとして成立するかの観察である。
演奏中、何枚か撮影をされ、それから作品づくりがはじまったよう。
3か月もしないうちに、「いいのができとるよ、もうすぐできるわ」
そんな報告も受けながら、そして、昨日久しぶりにお店に行くと、なんと
絵が飾ってある。
「完成したよ~。いいのができたよ」
看板娘が誇らし気に語ってくれる。
この作品。今は、もうひとりの看板娘として、来店されるお客さんを迎えている。
立ちながら、ピアノを弾きながら歌っているマーサ。
こういう姿勢かあ。あまりいい姿勢ではないが、ライブ感は出ている。
また絵をぜひ近くでご覧いただきたいが、細かな描写が素晴らしい。
衣装の皺やピアノの木目まで、実に細かく丁寧に、描かれている。
9月の展覧会に出展されるとのこと。地域の多くの方に見てもらえる
とは、なぜか私自身もうれしい。
絵にはどんなタイトルがつくのか?
それも楽しみ。
このお店は「あざみ」さん。7月で岐阜高島屋は閉店してしまうが、
その近くにあるお店はずっと営業を続けてほしい。
長く看板娘としてお店の末永い存続を願っている。
岐阜のルノアール?はたまた、ロートレック?
あざみの店長の才能に脱帽、尊敬。
描いてくださって、ありがとうございます!