南木曽に架かるブルックリン橋。

いやはや、NYを代表する建造物ブルックリン橋にそっくりな橋が、南木曽にあるとは。
最近、特急で名古屋から長野に向かうときにこの脇を通っているはずが、知らなかったから
気づくこともなかった。
大正時代に電力王として名を馳せた実業家 福沢桃介が創った巨大つり橋だ。
ダム建設のための木材運搬用に作ったとのこと。つり橋の上をトロッコ電車が走り
木曽のヒノキなどを大量に運んだ。木曽川のもっとも川幅の広い場所に作ったという
から・・・いろんな意味でチャレンジャーだったのだろう。
アメリカへの留学経験もあり、洋風建築への興味関心が高く、本橋の設計には
現地から建築家を招聘したらしい。
1993年に修復工事を行い、もともとの原型を生かしつつ、その場所にそのまま
保存されることになり、今は遊歩道としてつり橋を散策する人も多い。
それにしても、ほんとうに橋自体はブルックリン橋にそっくりだ。
でも、背景が山と川であるため、マンハッタンに立つあの橋とはまるで違う。
ニューヨーカーたちが見たら、きっと感動するだろう。
大正に生きた男たちの夢が今も残る南木曽。
ちょっといけば、島崎藤村で知られる妻籠宿も当時の姿を丁寧に残している。

日本のまんなかに、ノスタルジーただよう、タイムトリップにふさわしいスポットがある。
これら、実は海外の旅行客の方がよくご存じのよう。

山にそびえるブルックリン橋。
大正のロマンと、アメリカンドリームの同時に見た気がした。

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