クリームソーダ レクイエム。

久しぶりに京都の知人と再会し、お互いの近況を交換する。
その知人はアイデアマンで、地元のために、とくに中小企業のためにと
奮闘されており、頼もしい。
企業向けの広告・広報企画を主な生業としながら、飲食店の経営も担っておられるマルチタレントな
京オトコだ。近々、お茶屋さんと組んで、新たな京都の夜の観光コースも実現するそうだ。

そんな彼から久しぶりに聞いた近況のうち、新規事業で興味をもったこと・・。
それは、火葬場に併設されているカフェ運営のことだ。
行政から委託を受け、その事業を行っているそうだ。。

火葬場のカフェ?
と、一瞬耳を疑うが、
そういう施設が併設されている火葬場だそうで、立地的にもそちらにおいでになった
ご遺族さまたちのご利用があるそうだ。

どんなメニューを出しているのか?ときくと、
サンドイッチ、クリームソーダ、そして最近はキーマカレーも出してみたら
よく売れたとのこと・・。

最近は高齢化社会でお葬式の在り方も変わってきたそうで、
そういった立地のカフェでも、なぜかお客様の笑顔もあり、
笑い声も聞こえてくるという。
葬儀により、久しぶりに会う親戚同士の交流の場になっているようで・・。
往生していった人への悲しみはもちろんあるが、そういうことに
世の中が慣れてきたというか・・・うーん、昔とはかなり違う印象である。
まさに、冠婚葬祭とはそういうものか。

それにしても、火葬場でクリームソーダ。
なんだか映画にもなりそうな・・。
いろんな緊張がそこでほぐれる瞬間なのか。
でも、哀しみは消えないだろうが・・。
人を送る際になんだか、クリームソーダって
哀しみを鎮めてくれそうな・・・。
やさしい、シュワっとしたところに静かな哀しみも・・。
そこでそれをいただくって、どんな味?どんな気持ち?
一生忘れられない味になりそうだ。

今や、カフェは人生のいたる場所にある。
人が来る場所、集まる場所に需要あり。

知人の挑戦がなんとも自然でこれまた敬意に値する。
暑い日のお葬儀・・・きっと多くの注文が出ていることだろう。

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