正々堂々と人を向き合う生き方を

ネット依存の人たちが増えていると聞く。とくに若者にはその傾向が顕著だということも社会問題にもなりつつある。ネットがなければ・・。30年前はなかった。そんなものがなくても人々はちゃんと不便なく生活していた。昨今のこの一見便利なこの情報インフラは、見事に人間の行動だけではなく、本性にも影響を与えているようだ。
人間とは何かがわかっていれば、何が一番大切かをわかっていれば、ツールもうまく活用もでき、また時には使わない選択もあるが、人生経験や相談相手も少なく、目先の情報だけがすべてであると思い込んでしまうぐらいの免疫しかないと、その使い方もわからず、ただ流されるように生きるようになる危険がある。
ネットは便利であることは間違いない。しかし、この反面、人間をときに狂気に導くこともあることも否定できない。
知られたい、見られたい、誇示したい。そんな人間の欲望にはぴったりのツール。
しかも匿名でも、架空でもなんでも公開できてしまうという現実。
人間は正々堂々と向き合って、顔が見えるところで対話、交渉するのが人としてのルールのはずであるが、いろんなルールが崩れていく。
人間が生んだツールが、人間社会を破壊していく。ここ最近のあれこれを見ながら、個別の事象だけにではなく、その背景にある人間という本性に悲しみを抱いてしまう。顔の見えない、迷惑メールに遭遇するだけでも、どんな人がいったい?と首をかしげたくなる。何か言いたかったら、直接どうぞ。卑怯は許せないことだ。
正々堂々と。これが一番いい。

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