スペインに有名な巡礼地があるという。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)。
日本でも多くの人が挑戦し、その愛好家の集まりもあるような
一度歩いたら、もう一度訪ねたくなる、そんな旅。
日本でいうお遍路さんのようなものだろう。
私の友人は67歳。スペイン語を昨年から学び、今まさにその
巡礼の途中だ。
その旅先から3日に一度ぐらい、その様子がメールされ、写真が
届く。豪雨の日も届いた。向こうは晴天だ。
世界遺産が多いこの工程、何百年も前の教会やそのほか歴史的建造物が
彼の背景に移っている。
あと、もうすぐでゴールのようだ。
出発前までにも、何度もその準備について、語ってくれた。
今、彼は日本の豪雨被害を想いながら、異国の空のもとを歩いていることだろう。
ご自身のふるさとが広島だから、いろいろ考えることもあるだろう。
余計な情報を与えぬようにといっても、ネット環境あれば日本の状況は
細かく知ることができるから、きっと夜、宿では離れてきた日本のことを
思っているだろう。
一方、倉敷出身の友達の家は水浸しだと、メールをくれた。
彼は今バンコクに住み、実家は妹さんが守っている。
そんな状況だから、彼も遠い空から心配していることだと思う。
今、私は長崎に来ている。
ここでも、豪雨被害の影響はなく、穏やかだ。
そんな空の下にいて、ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちが共存する。
今日はどの空のもと。
その空の下で与えられた状況で生きる。
人は空を変えることはできない。
子どものころに読んだ自然崇拝をテーマにした絵本が
今、よみがえる。
悪いことをしたら、言うことを聞かなかったら
・・・・だぞ~。
畏敬の念をもつことを教えられた。
今、人間はそれを忘れはじめているかもしれない。
人工は、自然に勝つことができない。
もう一度、
人間は生きる空を、変えることができない。
その空のもと、一生懸命 生きること。
このことしかできない。
だから、人間は非力であることを素直に
認め、
今日、穏やかな空のもと、生きられることに
感謝をしたい。
アミーゴが、無事に巡礼を終え、帰国されることを
祈りつつ。