閉店とは、未来を拓くためのものである。

この1週間以内に、間もなく閉店を迎えるという 何件かのお店に
足を運んだ。
ひとつは先日書いた、名古屋で75年続いた百貨店。
閉店後も、その店の前を通ったが、
昨日まであったものが、今はない。建物自体は存在するが
今日も明日も定休日のような、人の出入りがまったくない
状態。この寂しい空気はなんともいえず・・。
でも、そのうち、この感覚も時間とともに変化し、
人々にとって、お店の存在は過去の存在になっていくのだ
ろう。そのうち、思い出に、伝説のようになっていくのだろう。
「昔、ここにこういう店があったんだよ」と。

続いて、今月に閉店するという連絡をもらった服飾関係の
売り場と、そばやさんを訪ねる。
いずれも、ご無沙汰だ。いずれも「いつでも行ける」という。
それらが、まもなく幕を閉じる。
だから、もう一度行かなければ・・と思った。

前者のお店では、久しぶりに会うスタッフたちに歓迎され
そして、お店がなくなることについてのそれぞれの
思いを語る。
店のスタッフとお客という関係は、閉店とともになくなる。
もう10年以上お世話になってきたこのお店の思い出とともに
自分の新潟でのこの10年をも振り返る。

そして、そばやさん。
ここの社長と出会ったのは、7~8年前のことだろうか。
会社全体としては、順調で新しい挑戦を続けているが
会社が新たなステップに向かうための、その1店舗の閉店という決断である
との便りもいただいており、そのことを思うと、寂しい
閉店ではない。

が、地元のお客さんに愛されてきたこのお店が、
もうすぐなくなる。というのはやはり心が揺れる。
ここで働く人たちは・・・と余計な心配をしたりも
するが、笑顔をキープしつつ、がんばって接客を
されているのを見て安心もする。

世の中にはいろんな開店があり、閉店がある。
どれもこれも、開店するときは華々しく、
そして閉店するときはそれぞれだ。

蕎麦屋さんの店頭を飾る閉店告知の挨拶ポスターは
お店の未来を感じるメッセージであった。

会社が次代に向かうために、ひとつの店が開かれ、
そして閉じられる。
応援する会社の明日への一歩のための英断に
心からエールを送りたい。

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