シチリアを思いだす、平日のショッピングセンター

もう10年以上前のこと。その当時、もてはやされていたスローフードの視察のため、
シチリア島を訪ねたことがあった。
世界遺産が多く存在するこの歴史の島。ひとたび足を踏み入れると不思議な魔力に
とりつかれる。
映画のゴッドファーザーを思いだし、どんどんタイムトリップ。気が付けば中世に
旅立ったような気分。
そんな素敵な島のことを、しばらく忘れていた。

そのことをふと、思いださせてくれるのが、地方の平日のショッピングセンターだ。
なんとお年寄りの多いことか。
シチリアでは、おじいさん(なぜかおばあさんではなく)たちが、町のあちこちに
集まって、静かに過ごしている。
おじいさんがいっぱい!なシチリア。島とともに生きてきたおじいさんたちが
集まって時間をつぶしているのか、とにかく日課のように集まって、珍しい旅人たちを
じっと見守っている・・。
日本のSC。平日の昼間はおじいさん・おばあさんがいっぱい。
日本は本当に高齢化社会なのだ。都会で感じるのとはまた違う「実感」がある。
ここに来るお年寄りは元気で、ある意味、豊かなのだろう。
シチリアのおじいさんたちは、とにかく集まってじっとしていた。

ふと10年後、20年後、30年後の日本を、シチリアを想像してみる。
自分はどうなっているだろうか?
経済成長の慣れの果ての、ロボットいっぱいの・・・奇妙な未来都市には興味がない。
自然に朽ちていくシチリアのような高齢化の方が自然だ。

日本はこれから、とにかくもっともっと年寄り大国になるのだ。
恐ろしい。怖い。
今の若者たちは、それをどう感じているのか・・。

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