何十回通っても、ここだけを撮影することはなかった。
五番街には、撮影したくなる素敵な店舗がビルが立ち並んでおり、この金ぴかビルには興味もなかった。
ところが、この周辺も大きく様変わりした。
トランプタワーには厳戒態勢が敷かれ、
映画の舞台にもなった高級宝石店など迷惑な状況。
どうしても、このビルの前に来ると、
「ほお、これが。あれが」と、立ち止まってしまい、
お上りさんや集会をする人で混雑の日もあり・・・。
ポリスマンも多数いて、落ち着かない。
このビルの主人が、大統領になってしまったことで、せっかくの五番街も変わりつつある。
一方、このビルこそ、現代のアメリカン・ドリームの象徴なのかもしれない。
人は、大金持ちだけでなく、こんな大きな国の大統領にもなることができる。
金持ちだったからこそ、なれたというのも一理あるだろうが、
いかにもアメリカ的なサクセスストーリー。しかもこの情報化社会の中で成し遂げた夢。
永遠にアメリカが世界でもっとも強い国であるのかどうかはわからないが、
それでもやっぱり、何か日本とは違う
ダイナミックさを感じるのである。
NY在住の知り合いいわく、
「結局、トランプでよかったんじゃないの。」
にも、外からメディアからだけではわからない現実を想像する。もっとも罵倒し続けたタクシードライバーにも
出会った。
このビルの主人が目指すアメリカン・ファースト。
そういえばニューアーク空港でみた広告に、
「ファクト ファースト」なるメッセージもあったが、
どこかの国の自分ファーストの人よりは、確かにずっといいのかもしれない。
金ぴかがメッキではなく、ホンモノの輝きであってほしい。