30代で独立していく青年たちへのエール

彼らが新卒で入社したときから、関わってきた。
彼らとはお世話になっているラジオ局の社員たち。

そこの若手教育を依頼され、社会人ほやほやの
彼らを叱咤激励してきた日々が懐かしい。

「人の話はメモをとるように、え?ノートももってないの?」
といい、1冊のノートを手渡したり、
勢い優先の営業トークについて、もっと考えて話すように、
自分の考えをもつように・・・などなど、なんだか偉そうな
アドバイスをしていた10年前。
息子のように思っていた。

その若者たちは、社会に出てそれぞれに悩み、苦労し、
ひとりは既に退職し、まったく違う道へ進んだ。
気が付けば、食の道に興味を抱き、イタリアへ修行へ出向き、このたびレストランを開業。
へえ。あの頼りなかった若者が、海外に修行に行き、起業したとは・・。
その驚きの気持ちを持ちながら、その店を訪ねる。
オーナーシェフになったその青年。3年ぶりぐらいに顔を見る。
なんとまあ、立派になって・・・。お店は盛況、素敵なイタリアンレストラン。
そのオーナーシェフになった彼の顔つきもずいぶんと変わった。
迷っていた20代から、自分の道を歩き始めた30代という成長。
野球少年だったらしい彼が、今は地元食材を生かし、イタリアンシェフへ・・。
華麗なる転身だ。
再会を喜び、固い握手をする。
「よかったね、素晴らしいよ。がんばって。店は長いから」
そんな言葉をかけ、店を出る。

一方、彼の同期の青年。
彼もこの度、10年以上つとめた会社を退職し、次のステップへ進むという。
「お世話になりました」と声をかけてくれ、こちらも固い握手をかわす。

人はいくつになっても成長していく。
そして30代半ばとは、ひとつの転機。
自分自体がそうであった。

すっかり立派になった彼らとの再会から、ふたたび、新たな関係が
始まりそうな気がした。

自分の道を確実に進んでいこうと挑戦する若者にエールを。
そして、彼らに負けないぞ!と自分自身の心のギアも入れ直す。

自分の夢を成し遂げようとする生き方は素晴らしい。

そんな30代の若者たちとの出会い、再会が増えつつある昨今。
私にとっては20年前を振り返る、原点を見つめ直すいい機会でも
ある。

新鮮、謙虚、感謝と、勇気。
いくつになっても、大切にしたいこと。

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