嘘のような、泣き笑い小劇場。

今日は、ちょっと趣を変えて、こんな物語を・・・。
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昔昔、あるところに、たばこを吸うのをやめない。
しかも道にポイ捨てするおじいさんがおったとさ。

頑固者のせいか、ばあさまもじいさまには手を焼いて、
ひとりでどこかへ出かけたり。よくおじいさんを置いてきぼり。

そんなじいさんをかわいそうに思った娘が、
たまには、じいさんに美味しいビールでもご馳走してあげようと思い。
ちょっとおしゃれをして、実家に行き。じいさんを迎えに行った。

ふたりは、歩きながら近所の居酒屋に向かった。
田んぼ道を歩いていくのだ。

気が付けば、じいさんはくわえたばこで歩いている。
「ちょっと、お父さん、たばこ危ないよ。」
といったとたん。じいさんは、吸っていたたばこを
火も消さず、すぐ横の田んぼに捨てた。
いつもやっているような慣れている手つきだ。

「何するの、そんなところへ捨てたらあかん。
火事になったらどうするの!」

怒った娘は、そのポイ捨てされたたばこを拾おうと
田んぼに足を入れた。
すると、
当然乾いていると思った田んぼの地面が思いっきり
湿っており、娘は足からずぼっと入って入ってしまい
全身泥まみれになってしまった。
「キャー、助けて。」
おじいさんは意味もわからず
「あほ、あほ。何しとるんじゃ、あほ」といって
田んぼに入った娘の手を引っ張った。

前日あたりに、田んぼに水が入ったらしい。
でも、そんなことはわからない。

ポイ捨ておじいのせいで、娘は泥まみれ。
結局、じいさんは先に店に行き、先にビール。
娘のことなど、おかまいなし。

とんだ目に遭わされた。
せめて、毎日この田んぼを通るたびに
「ああ、娘が飛び込んでいたなあ~」
と、反省し、ポイ捨てをやめてくれたらいいのだけれど。

以上は、実話です。
泣き笑いの親孝行劇場。

良い週末をお過ごしください。

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