もたない自由、もつ不自由

稀にスマホ(携帯)を持ち忘れ、何時間か外出して、電車に乗ってから「しまった」と瞬間戸惑うことがある。しかし、そのあと、取りに戻ろうと思わず、そのまま行ってしまう。
もちろん何日も出てしまう場合で、取りに帰る時間があれば引き返すが、半日ぐらいであれば、1日であればたまにはスマホなしもいい。
電車を見渡せば、ほとんどの人が下を向いている。スマホなり携帯を見ている。もちろん新聞や本を読んでいる人もいるが、最近ではスマホに向かう人が大半で、世界的にも異様な光景だ。歩いていても下を向きながらスマホし、対抗している人に気づかない人もいて、「ちょっと邪魔だよ」「危ないよ」と声を出したくなることも少なくない。
もたないと世の中を見渡す。いろんなことが見える。みんな、そんなに下向いて、何を見ているのだろう。そんな大した情報がそこにあるのかしら。
いろんなことを想像するのに、自由な自分を取り戻す時間も大切だ。だから時には忘れたり、意識して持たないで外出するのもいいことだ。
人間は自由自由と言うくせに、一見便利なツールをもつことで、自ら不自由になっているのではないかしら。とさえ思える。
前を見て、世界に大きく目を見開いて、広い視野で物事を見られる人に、前を向いて相手と対話することを楽しめる、それが最優先だと思える、当たり前のコミュニケーションをもっと大切にしたい。利便性に溺れると、考える、創造する自由をなくす・・・そのことが怖いと思う今日この頃。

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