ふるさとを離れて住む、ふるさとに住む親がなくなる・・・
ともすると、ふるさとで住まない人にとって、ふるさとのことは、
懐かしくもあるが、だんだん足が遠のいて、記憶の中で生きるのみの
存在になる。
それは、あまりにも寂しい。
だから、用事を作ってでも、年に一度は足を運ぶようにしたい。
この写真は、千葉県鴨川にある、棚田の風景だ。
いつしか、この風景を季節の移ろいとともに見るのが
恒例行事になっている。
とはいえ、四季ごとに毎回訪れることは叶わないが、
あるときは晩秋に、あるときは真冬に、そして今回は新緑の前。
カエルの合唱をききながら、これから行われる田植を待ちながら・・。
実は、ここは私のふるさとではなく、相方のふるさと。
だからこそ、大切にしたい。
両親も他界され、訪ねるたびに町がすたれていくのを見るのは
しのびないが、自然の姿は変わらず、ふるさとを巣立った人間を
あたたかく迎え入れる。
そんなこんなで、ふるさととの繋がりは、どんな関係でも良いから
消えないように、切れないように。
ひとつの風景が、結ぶ役割を果たしてくれることもある。
ここに来れば、彼のルーツがある。
ルーツはかけがえのない、この上なきありがたい存在。