上下関係に愛はありますか?

新学期、新年度になった。
それぞれ組織ではたらく、学ぶ人にとっては新たな環境は
緊張が多いことだろう。人間関係はそれぞれの環境にとって最も重要だ。
の上司は?部下は?見定めの初日だったかもしれない。

最近、はやっている「忖度」という言葉。
本来は日本人特有の美徳を指すもののひとつであった
そうだが、
今どきの使われ方は、違うようで、大変残念だ。

これは組織の上の人に対して、下の人たちがいろいろ思いを推し量って
指示されなくても、上の人の意に沿うように行動すること
らしいが、時と場合によるだろう、と思えてくる。
その慮ること自体が正しかろうが間違っていようが、
時には自分の腹とは違っていようが
そういった判断・行動をするのが、まさに「日本的な男社会」だと改めて思う。

今回、そんななかで間違った仕事をさせられ、自死された方を思うと
深刻な事態だと思う。上の人は責任をとらなくていいのか?と
怒りすら覚える。

数学者であり、国語の専門家でもある藤原正彦さんもそのことを指摘されている。
「忖度」は、下の人が、上の人を・・・ということらしいが、
これは、「惻隠」と表裏一体。
惻隠とは、上の人が下の人のことを思いやる、同情するという意味。
上司として、下の人を心配して、気にかけ、うまくいくように
見守るということ。
上の人が下の人を大切にするという大切なことが
欠けているこの日本社会を藤原先生は憂いておられるが、私も同感。

新年度。新入社員にとっては、まずは上から下だろう。
それが安心して働ける職場。
思いやりや愛が職場には、絶対不可欠だ。

日本をとりまくさまざまな問題を、他人事にせず、自分の
環境に置き換えて、生かしていくのが良い。
霞が関周辺が変わらなくても、自分たちは変われることがある。

新入社員には五感を働かせ、自分が選んだ新しい世界を
よく吟味して、自分の能力をフルに発揮してほしい。

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