背中を押される春。

約1年ぶりに、下北沢の町に向かう。
演劇での生演奏という貴重な経験から、もう四季が一巡した。
そこで出会った演劇関係の人たち。
たったひとつの作品を通じてではあったが、仲間に入れてもらった
感じがする。
作家、役者、演出家から照明さん、会場関係者からいろんな方の関わりで
ステージができる。そしてお客様の入りこそが
その舞台の成功には最重要、絶対不可欠な要素。

1年前の自分の取り組みを思い出しながら、今度は観客という位置から
作品やステージをみつめる。
役者たちの真剣さにまずはしずかに感銘。
ほんとうに皆さん、セリフをよく覚えるなといつも思うが、それが
役者の仕事の基本だ。

そして、役者の演技が自分の意図通りになっているのか・・・厳しい
チェックを最終回までやり続ける作家。
ダメ出しは本番が始まってからがより厳しくなる。

そんな仕事ぶりを久しぶりに観ながら、
表現する仕事について、考えをめぐらす。

本番の合間に、仲間の作家と少し話す時間をもらう。
ひとつ仕事をオファーできないかと・・。
その話をしたら、彼女は
「私ももちろん書こうと思ったらできると思うけど、
それやったら、マーサさん
自分で書けばいいじゃない。せっかく勉強してきているのだし」

あ、そうか。

そういわれて、そうか自分でもできるかも。
と思えてきた。

そうそう。それを忘れていた。
いつかはそうしようと思っていたのに、
よく考えたら、今からそこから始めてみれば良いので
あった。

春は、やっぱり始める季節。
何かの機会に、誰かがふいと一言、背中を押して
くれることに、
前に進もうと思えるのが、新たなことに挑戦しようと
思わせてくれるのが春だ。

久しぶりに下北沢へ来て、良かった。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク