350円、夜の貸し切り花見


写真は夜が明けてからのものになってしまったが、
この写真にまつわる話を少々。

2泊3日で名古屋~東京~長岡~新潟~東京~新潟~燕~新潟~名古屋
と激しく動き、帰路につく週末。
結婚式の二次会やプライベートな送別会のような春らしい週末の
喧騒のなか、疲れ果てて、土曜の夜遅く。ようやくたどりつく。

一服するため、
お湯をわかして入れようと愛用のポットを探すと、なんと
花瓶になっていた。
しかも桜の木が生けられており、びっくり・・。

ポットに咲いた桜の花とは、初めての体験。

疲れていたが、不思議な家での夜桜にすこし笑みがこぼれる。

翌朝、
「桜、どうしたの。まさかどっかで折ってきたわけじゃないやろね」
とあえて、いじわるにたずねると、
「ううん。いつものところで、買ってきた」
いつものところとは、近所の花屋さん。

限定品、お求めやすいお花はワンコインより安い350円。
しかもブーケになっている。
桜もその350円コーナーにあったようだ。

外でみる桜も良いが、ポットに咲くこちらの桜もなかなかいい。
なんといっても、貸し切りだ。
気持ちが嬉しく、疲れも吹き飛ぶ。

日曜は全国的にお花見日和だったが、おかげで中で仕事しながら
ひとり花見を楽しんだ。

いろんな花見、いろんな愛で方。
これから1週間、まだまだその楽しみは、人それぞれに。
悲喜こもごもの3月ラストウィークに桜は、とてもふさわしい。
お気に入りのポットも今週は桜の見守り役だ。

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