創業214年、11代目の挑戦にエール。

いやはや、なんともうれしい1日だった。
久しぶりに、自分が力を出し切った満足感ではなく、
いろんな意味でバランスもよく、そしてほんわかと
嬉しい仕事に関わった・・黒子としての達成感にあふれた
そんな1日。

胎内市の乙(きのと)という地区にある、創業214年の
老舗饅頭屋の11代目が取り組んだユニークな
広報活動の発表を、対談という形でお手伝い。
ご本人はゲストスピーカーで、私はナビゲーターという
役割。
私のミッションは、企業さんの魅力をより引き出し、参加者に
より多くのヒントを得ていただくということだ。
主役はあくまでも、企業さんと参加者のみなさん。

今回は柏崎の商工会議所からのご依頼で実現。
地元の商店、企業さんらが50名ほど集まっていただいた。

対談も、その後の交流会も無事終わり、
一緒に新潟市まで車に乗せてもらって、移動。
その車中も、ずっと話し続ける。

彼との出会いは3年前。
地元へ25歳で戻り、
単品商売をしている実家の饅頭屋をいずれ継ぐという
という志をもち、新たな模索がはじまる。
ある日の出会いから
饅頭屋の広報活動がはじまった。
しかし、200年以上続く単品商売であり、新商品などはない。
では、モノを売るのではなく、
コトを売る、つくる、伝える方向にしては??
この会話が、この11代目の背中を押した。

まんじゅうを売ろうとする広報ではなく、
地元 乙に来てもらう観光を企画し、
周囲を巻き込んで、人が集まる仕掛けを
作るというユニークな企画だ。
2年前に企画、実施した「デトックス乙女旅」
が成功、そして継続。今年もこの週末、旅行会社を
巻き込んでの開催。毎年継続していることに感動。
いつのまにか、地元の観光への取り組みに名前がついた。
乙トラベル→キノトラベル→KINOTO LABEL。
地域連携をしながら、いろんな関係者が関わり、
四季を通じ、地元に観光客を誘致し、
町を活性化、町のブランディングに寄与する
という企画。饅頭屋はその仕掛け人である。
彼自身、ガイドもつとめる。

もちろん、観光に来た人には必ず
饅頭屋にも来てもらう。
買ってくださいと広報しなくても、
地元に人が集まればおのずと饅頭屋にも
人がやってくる・・という流れを
考案した。

彼は出会ってから、ずっとネタを考えては
ニュースリリースを書き続け、マスコミに発信し続けている。
その継続力にも頭が下がる。

彼のご両親と私は同い年だ。
そんな青年と、一緒に企画し、一緒に発信する。
そんな仕事がとっても楽しく、お客様にも
喜んでいただけて、ほんとうにうれしかった。

今度は全国への発信を。
彼は、今子育てをしながら、新しい時代に向かって
自分なりの饅頭屋の広報活動を頑張りつづけている。

彼が12代目にバトンを渡す日はまだまだ先だ。
応援し続けようと思う。

余韻が残る仕事は、本当に楽しい。

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