もし、親が、家族が、認知症などになってしまったら・・。
たとえば、いつも元気で、働き者で、畑仕事が生きがいで、
一生懸命野菜を作って、家族にそれを食べさせて・・・。
そんなおばあちゃんが、あるきっかけで、体力が低下し、
そして元気がなくなり、家にふさぎ込むようになり、
元気だったころは、家族の大黒柱のような存在だったのに・・・。
そのおばあちゃんが、種を撒き、育ててこられた、お野菜をいただいた。
そして、そのおばあちゃんが作られた切干大根もいただいた・・。
風邪なら、元気になってね。で終わるが、
野菜作りへの復帰は、なかなか厳しいだろう。
その家族の気持ちを思うと、気持ちが重くなる・・・。
ばあちゃんが育てた野菜を、子供たちが収穫し、
毎日の食卓に・・・。
「ありがとうね。ごちそうさま。美味しかったよ」
いつか、そんなお礼の言葉が通じなくなる日が
来るとは、信じたくない。
これが最後の大根になるのか・・・と思うと、
なんとも・・・。
年老いていくお世話になってきた人に
きちんとお礼を伝えよう。
伝わるうちに、きちんと伝えよう。
言い続けよう。
ずっと「ありがとう」が伝わってほしい、
そして、その言葉で、元気を盛り返してほしい・・・。
いただいた野菜を切りながら、泣きそうになる。