中堅の落語家と、同世代の作家の対談を聞いていて、とても面白かった。
落語に登場する人物は、失敗ばかりする人、いけてない人、残念な人が
ほとんどで、立派な人というのは、あまり登場しない。
だから、いいのだという。
人生は、失敗の繰り返し、そんなにいいことばかりない。
人生バラ色という人の話は、面白くない。
失敗ばかりしている、うまくいかない・・・そういった
人物の話の方が、面白い。
いい話というのは、自慢のようでつまらない。
失敗した話、悪い話であれば、共感もし、自分はましだなと
慰めもでき、その失敗を乗り越えたと聞けば、感動し、
自分もがんばろうと思える・・。
だから、失敗する人の話の方がいいのだという。
人生、そんなにいいことばかりじゃない。
でも、たまにいいことがある・・それがいいのだ。
人生素晴らしいというよりも、
人生、まんざらでもない。
というのが、落語家、作家の共通の表現したいテーマだ
と聞いて、とても楽になった。
とくに凡人である私には・・・。
絵にかいた餅のような世界は面白くない。
なぜ、落語が今も愛されるのか、吉本新喜劇のような
大衆芸がうけるのか・・
の答えが見えてきた気がする。
また自分の人生自体もそうだ。
失敗があるから、人生に深みも厚みもできる。
だから、失敗を恐れず、遠慮なく 自信をもって
生きていけば良い。
と思えば、いろんな挑戦を試みることは、たとえ結果がどうであれ、
意味がある。