ブランドが変わる節目の日に。

名古屋のとあるホテル。名古屋城の目の前にある、地元を代表するホテルのひとつ。

そのホテルがこのたび、看板を変えた。ブランドが変わった。昔の屋号に戻った。

思い起こせば十数年、昔の屋号ではない、世界チェーンの名を冠した時代に、
そこをよく利用し、ときには親孝行にも、使ったりしていた。
名古屋岐阜周辺に来るときは、まず、ここ!であった。
故郷に近い、ちょっとしたハレの場でもあった。
そして、この周辺から名古屋駅までよく歩いた。
名古屋という町に興味をもったきっかけのひとつは、これらの経験があったから。

しかし、もう近くに引っ越してきたため、二度と泊まることはないな~と少し
寂しく思っていた矢先に、そのブランドがなくなる、ライセンス契約が終了する
ということを知り、さらに寂しい気持ちになった。

と同時に、看板がブランド名が変わるということ自体に興味もあり、馴染みのブランド
を名乗る最終営業日に注目してみた。
お世話になってきたホテルスタッフにお礼のメールを送り、そして
最後の雰囲気を感じたく、外出のついでに立ち寄ってみる。
最終日に、空間で感じることがあるかどうかを知りたくなったのだ。

ホテルとは、24時間365日営業する、もてなしの空間だ。
看板が変わろうが、ライセンス契約がどうであろうが、営業している以上、利用客には
迷惑をかけず、きちんとおもてなしをしなければならない。
この日、建物のサインにホテル名はない。明日からの新ブランド名を準備し、隠してあるのだろう。
でも、入口にはまだブランド名が残っている、これも今晩外して新しいものに差し替えるのだろう。

ホテルのスタッフとも少し話す。
「今日でホテル名変わるんですね。大変ですね」
というと、笑いながら
「そうなんです~。もうバタバタで・・・」
サービス業でのブランド変更は、かなり計画的に準備されるが、それでも営業しながらというのは
大変なこと。看板もそうであるが、ホームページひとつ、いろんな帳票類ひとつとっても
どのタイミングで切り替えるか・・・。見えないところでの準備に際しての、ご苦労は計り知れない。

ブランドが変わるから、といっても、一晩で急にサービスが変わるわけでもないが、
見えるものすべてを変更し、徐々にフルチェンジするというのは大変な労力だと思う。

私は、そのブランドがとても好きだった。その名前があったから、このホテルを利用してきた。

だから、この変更は大変残念であるが、今度は散歩の途中に寄る地元のホテルということで
違う楽しみ方をしようと思う。

著名ブランドの冠がある、ない。
この影響はどうだろうか。
時間とともに、いろんなプラスマイナスの効果が見えてくるだろうが、
ひとえに、
スタッフの力が一番大きいだろう。
地域密着の、地元を代表するホテルとして、がんばってほしい。

時代とともに、いろんな人生の場面が幕を開け、そして閉じる。
次はまた新たな幕を・・・。

そして、ありがとう。ウェスティン名古屋キャッスル。
部屋から見えた名古屋城がとても好きだった。

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