以前、某企業の日本茶のTVCMに出演され、お茶の間にも広く知られた
元女優で服飾専門家の市田ひろみさん。
実は、会社員時代にとある広報紙の取材で、自らが経営されている京都市内の
美容院にお邪魔して、お話しを伺ったことがある。そのとき、先生が働く、
自立した女性の先駆けとして長く活躍されていることに深く感銘を受け、
その後、先生が服飾関係のイベント等で講演をされるときも、何度かうかがっていた。
しばらく年賀状やはがきのやりとりもあったが、京都を離れてからはご無沙汰
になってしまい、その交流もすっかり途切れてしまっていた。
時々、テレビで拝見し、今もおきれいだな~とか、あのなんともいえない
京都弁での語りにほんわかしたり・・・・。
でもお会いしたのはもう20年以上前で、先生がいかにお若いといっても
かなりのお年・・・・。お元気だろうか?と本棚にある先生の著作を見ながら
思い出していた。
そんな矢先、京都駅のデパートにて日本画の展覧会があり、そこに
市田先生が登壇され、きもの文化と女性についての講演をされると
偶然知り、すぐ駆けつけた。これを逃してはならぬとの気概で。
会場には多くのきもの愛好家、市田ひろみファン、日本画ファン・・
いろんな方に囲まれ、会場内の作品を観ながら、先生が上村松園はじめ
著名な作品を先生視点で解説されながら、会場全体を巡る。
そのトークったら、まったく20年前とお変わりなく、これには驚いた。
そして、先生はサハラ砂漠に行ったときのスケッチを図案化したという
オリジナルのきものをお召しになり、髪もしっかりばっちり・・。
とにかく以前と変わらない、凛とした市田ひろみさんだった!
男性では、日野原先生がすごいと思っていたが、女性の生命力では、
この方が日本一?ではないかと思うほどで、
そして、元女優というだけあっての、独特のオーラを放っておられた。
そういえば、以前、取材に伺ったときに、撮影するときは
「こっちから撮ってな」
と、ご自身が撮られる良い向きを指示されていたことも思い出す。
自分はこう見られるべき、こうあるべし。
この厳しい信念をずっとお持ちなのだ。
衰えを知らぬ、ますます美しい素敵な働く女性に
勇気と元気をもらった。
公演後、先生にご挨拶。
「20年前に取材にお世話になりました」
「それはそれは、お世話になりまして~」
相変わらずの気さくな感じに、京女のおもてなしも
感じ取った。
ああ、やっぱり凄いなあ。
背中を拝ませていただき、私もがんばろう。