歴史に育まれた、国際都市を新テーマに

長崎という町は、古くから海外との交流をもっていた点、しかもヨーロッパだけでなく、中国をはじめとしたアジアとの交易もさかんで、いい意味で東西の良きところを「ちゃんぽん」的に取り入れていた点で限りなく味わい深い。決して華美すぎたり、目立ちすぎることはないけれど、日本の各都市のなかでも、もっとも開かれていた町ではないかと思う。その結果、宗教も、建築も、食も、一種独自の文化を形成。そして、それだけでなく、医療の分野においても先進的であったと知り、納得。西洋医療と、唐人の漢方。すぐれた先人たちの研究が、日本の今日の医療の礎になっている。この町を国際的にしたのは、まさに海の存在だと思う。
町のどこに立っても海に向かう。人の心は海と空を見ることで、大きく開かれる。外へ外へ。
先日の女神のように海を見て、世界をみて、明日を見て・・。そんな冒険心をここに生まれ、生きた人たちは潜在的にもっているのではないか、と思えてくる。
日本にいて、空を抱きしめたくなる景色は珍しい。ちょっとブエノスアイレスやポルトガル、そしてかつてのマカオにも似ている。
国際的になるかどうかは外国語を習うだけでなく、生の交流、経験を多く積み重ねているかどうかだ。そういう意味においても、長崎は苦難も含め、人類史上的に貴重な経験を有する町。この真なる国際都市をテーマに新しい行動を起こしたいという衝動にかられる、いい空気の町。IMG_2184

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