ずらす楽しみ。新たな発見。

今、世間は年末年始の休みに向けてまっしぐらだ。町のあちこちで休業日の案内を見かける。
それらを見ながら、今年という残された時間をカウントダウンしながら正月の準備をはじめる。

その昔、お正月は今以上に特別な存在であった記憶がある。
お店はすべて閉店するので、年末に買い出しに行って、正月に向かう緊張感を
味わい、そして家族でおせち料理をいただき、自宅で年賀状を見てゆっくり過ごし、初詣に行き・・・・
お年玉をもらって・・・。と、とにかく静かなハレの日であった気がするが、
今やコンビニもあり、スーパーも元旦から営業して、買い出しは必要なく、
福袋も元旦に販売し始めるデパートもあり・・・。
大晦日も元旦も、普段通りの消費生活ができてしまう・・・という点では
お正月が日常の延長になってしまって、ありがたみがなくなっている。

その点は大変寂しく残念であるが、そんななかでも、
この時期、日本中を人が大きく動く、一度に行き来するという現象は、今も昔も変わらない。
帰省ラッシュ、出国帰国ラッシュは年末年始の風物詩のようで、一斉に休みになり、一斉に
動く。だからこの時期の交通・宿泊費は急上昇する。
それでも、その期間が休日だから、限られた時間の中で人々は動く、動く・・・。
新幹線も飛行機も混雑、高速は渋滞する。

さて、次の新年からは、この波に乗らなくて良さそうで、とても楽しみにしている。
人が休むときに働く。人が働いているときに休む。出かける。
これはなかなかいい。
混雑した状況に出くわさない、静かに移動できる、ゆっくり過ごせる。
料金も高くない。
なんでも少しずらすと、経済的にもリーズナブルという以外にいろんなメリットがある。
これまで世間のカレンダーを当たり前に見てきたが、そうではない生活があるということを
知ることができたのはとても良い。
すいているときに、出かける。これは大変贅沢なこと。
だから、今度の三が日は、静かに仕事をしようかなと思っている。
もちろん、新年らしい仕事を。

いろんなことを徹底的にマイナーな道を選ぶ。
そうすることで見えてくることがあり、これまで知らなかった楽しみも
みつかるはずだ。

ちょっとずらす。この視点を大切に行動すると、面白い発見がまたまた生まれそうだ。

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