「うちのトシ子が~」「うちのトシコも~」
長年お世話になっている方との会話で時折、こんなやりとりが
今となっては懐かしい。
その方のお母様もとしこさん。そしてわが母の名も「としこ」であるから
お会いしたことはないけれど、その方のお母様に勝手に親近感をもって
いた。
どうやら、その二人のとしこさんの共通点は、気丈で働き者。
子供がそばにいなくても、しっかり元気にがんばっている。
とにかくよく動き、よく人の面倒を見る・・・。
元気印のおかあちゃん。
がんばっているし、強気だけれど、本当は子供に帰ってきてほしいと
思っている・・・(と思える・・)
その知人のお母さまとしこさん・・・。
お気の毒に、東日本大震災で被災され、悲しい経験をなさった。
それから・・・いろいろご苦労があった。
震災が人生を変えた・・と間接的にお聞きして、心が痛いこともあった・・。
東北の話題に接するとき、時折、お会いしたことのない、としこさんの
ことを思い出すもあった・・。
出張先、仕事が終わって、スマホを見ると
メッセージが入っている。
「うちの母トシコが今朝・・・。87歳の生涯でした」
一瞬、見間違えたか、自分の親が亡くなったのかとも思うほどに
あわてた。
あ、Sさんのお母様が・・・。そうか・・。
お会いしたことがないのに、歩きながら涙があふれた。
旦那さん、息子さんはどんなお気持ちか‥・・・と。
トシコさん。働き者のお母さん。
心からご冥福を祈ります。
うちのトシコさんもいずれ・・・かなと思うとたまらないが
避けては通れない。
生きることは・・・切ない。