ともに歩き、新たな楽しみをみつける。

免許返納した父を元気づけたいと思う今日この頃。
しかし、本人にしてみれば・・・他人が思う以上に、
この切り替えは大変だと思う。
週に一度ぐらい、たとえ1時間でも2時間でも
父と二人で一緒に過ごすことを心がけようと
決めた。

今週行った岐阜新聞でのミニコンサートには
毎回両親も訪れる。今回からはご近所さんの
車に乗せてもらっての参加。
帰りは父と二人で移動する。
40年ぶりに一緒に岐阜の懐かしき街並みを歩き、
バスに乗る。
その昔、父が送迎してくれた道だ。
いつも車で通っていた馴染みの道ではある。
クルマからは見えなかった、歩道の風景を
楽しみ、ゆっくり歩く。
シャッターが下りている店のことを
「昔はここは・・・だった」と言いながら、
「あれ?ここ、こんなだったか」
すべてたわいもない会話。それが結構新鮮だ。
「もう、疲れたわ」
バス停1つ分歩き、バスに乗る。
路線バスにも慣れていない父が行政から
支給されたICカードを初めて使う。
帰りは、駅のスーパーで、夕食の食材探しに
つきあう。
今日は何を食べたい?明日は?
父はトン汁をつくるといって、豚肉を買う。
自炊しているなら、問題ない。と父の
毎日の暮らしを知りながら、安堵の気持ち。
自分で好きなものを選び、自分でつくれるのは
元気な証拠だ。
ささやかなお買い物であるが、売り場を楽しんで
見ている父を見て、昔を思い出す。
買い物後、一緒に駅のカフェでコーヒーを飲んで
たわいもない話をして、駅で別れる。

時代とともに、年齢とともに暮らしが変わる。
生活パターンも変わる。
いつも後ろ向きにならないように、新たな発見を
楽しめるようにと思う。

もっと歩きやすくなるように、折り畳み用の
ステッキ買ってあげようかな。

これまで会話が少なかった分、
これまで一緒にいる時間が少なかった分、
少しだけ近づいて、心は寄り添い、自立を促して・・・。

明日はどうなるかわからないから、
今を大切に。
一緒に歩こう。一緒にバスに、電車に乗ろう。
私自身が運転しないのが、申し訳ないが
その分、違う世界を一緒にみたいと思う。

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