心揺さぶられるライブとの出会い。

ロシア文化に精通されている歌手ヤーマチカさん。本名は山之内 重美さん。もともと
ある会合にてお会いし、それがもう20年以上前のことになる。

そこから、キレそうで切れない赤い糸?のように、ずっとご縁が続いており
東京でのライブにもおいでいただき、私も伺った。

そして、今回は故郷京都でのライブと聴き、伺った。
なぜ行こうと思うのか。私だけでなく、他のお客様は?

いろんな理由がありそうであるが、私にとっては同じ表現者として
考えさせられることがあまりに多く、いただくヒントも多く・・。
ロシアの歴史や文化についての「語り」をお聞きしながら、演奏を聴くという
他のミュージシャンにはない独自性があるのがとても良い。
まさしく、オンリーワンだ。
私より年齢も10歳以上年長であるが、とてもフレッシュで、パワフルで・・。
そして麗しい。
その理由もステージを観ていたらわかる。

この方のステージからは、「伝えなければ」という強いメッセージを感じる、
単に歌が上手いとか、声がきれいということではなく、
ひとつひとつの歌詞に深い、熱い思いが強く込められているのを感じる。

ロシア語の勉強もされ、訳詞なども手掛けておられるので、言葉を
とても大切にされているのだと思う。
そして、彼女が歌い始めると目の前には、その時代のロシアの社会の様が
浮かんでくるのだ。
情景を見えるように伝えているのも、素晴らしい。

しかし、もともとなんでロシアか?ここはもっとお聞きしたいところであるが、
自分が選んだロシアという国とそこに生きる人たちを、音楽という手段を通じ
伝えることで、今ここに生きている私たちに、強いメッセージを与えているのだ。

今回のライブのテーマは

ロシア浪漫 Vol 14
ロシア革命百年の光と影

~制度は変えられても、人間の本性を変えることは難しいのさ~

という重厚なテーマ。
このことを、現代に当てはめてみようという意図ではないかと感じた。

とにかく勉強になり、右脳と左脳の両方が喜ぶ稀有なステージ。

何度も涙をハンカチで拭いながら、拝聴した。

自分のテーマは?ロシアではないけれど??
そのことを考え続けながら、帰路についた。

素晴らしい文化アーチスト、ヤーマチカさんの
ますますのご活躍を心から祈っている。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク