最近、花を飾りたいと思うようになった。花を見ながらあれこれ想像したり、やさしい時間にふれることが
大切だと思うようになった。
いい花瓶はないか、花瓶にも食器にも使えるような便利な器はないかと考えるのも楽しくなってきた。
ちなみに、今週は濃いピンクのコスモスと先日のライブでいただいたお花を飾っている。
ふと、押し入れにそういえば・・・と気になる箱をみつけ、開封してみる。もう何年も開けて
いなかった。
「あっ!」
それは、わがオリジナル曲 「ANNソロジー(アンソロジー)」のモデル
台湾人のアーチストANNEちゃんがデザインした壺である。
焼物自体は、別の作家が焼いたと思われるが、ANNEちゃんがデザインした絵柄が入っている。
ああ、そうだ。上海のアトリエにいったとき、入手したもののひとつ。
日本でも売れたらいいと思っていくつか入手した。
小さい壺もあり、
「これ、私の骨壺にするわ~」
と冗談交じりに言ったら
「そんな大切なものを入れてくれるなんて、ありがとう」
とさりげなく言っていたANNE。彼女は3年前、病で亡くなった。ずいぶん早く旅立った。
そして、その彼女に向けてつくったレクイエムのタイトルは「アンソロジー」。
彼女の人生はまさに花のようであったので、「花句集」という意味の、このタイトルと
彼女の名前をひっかけて付けたタイトル。
この発見したANNEの壺に、早速ピンクのコスモスたちを入れてみる。
人は亡くなっても、作品でいのちを永遠の存在にすることができる。
だから、アーチストという職業、生き方は素敵なのだ。
ANNEの壺に、秋の花はよく似合う。
花と壺を愛で、ひとりで「アンソロジー」を聴いてみると、
ANNEがそこに現れたような、そんな気がした。