経験は記憶を薄めない

9月11日。という日を日本人はだんだん忘れていくだろう。
「被害者」は、現地に住んでいた方、そこで仕事をしている方、そのご家族
たちであるという点では、ある意味、ほとんどの日本人には直接関係がなかった
のかもしれない。
とはいえ、その当時は、「テロ」という言葉自体も非日常で、インパクトもあったため
実被害がない人の間にも、恐怖を与えたことは間違いがない。
映画のようなことが、現実に起きるのだ。
そんなことがあるんだ・・。ニアミスという経験をした私にとっては、今もその日の
こと、その1週間のことを鮮明に覚えている・・・。あれから16年が経つ。
その10年後、巨大地震、津波が日本を襲う。
この経験はほとんどの日本人に大きな影響を与えた。6年経つ今も、その日から時が
止まったまま・・という方もおられると聞き、心が痛む。
直接経験していなければ、痛みも少なく、時間の経過とともに忘れていく。
メディアも次々と新しい話題を取り上げるため、人々の関心事も移っていく。
これは自然のこと。しかし、自分自身が直接関係したことについては、自分の中で
その記憶が永遠のものになる。
9月11日。ニューヨークとアラスカを思い浮かべ、そこで出会った人たちのことを
思いながら、地球儀をぐるり心の中で回しながら、世界に真の意味で平和が訪れる
ことを願い、わがオリジナル曲「レクイエム11」を心を込めて演奏した・・。

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