「また、来なくっちゃ」と思わせる憎い店。

靴やカバンの修理や、合いカギのチェーン店といえは、ミスターなんとかを思い浮かべる
人も多いだろう。
実は、最近、この業態・このチェーン、この店のサービスに感動している。
1回目 出張先で靴の底のゴムがちょっと擦り切れてしまっており、前から
見ると目立つ。明日は人前に出なければならない。
デパートの靴売り場に駆け込んだものの、ほしいものはない。
ダメもとで、そこの1階にあるそのミスターに飛び込み聞いてみる。
「こんなの、直りますか?」
「ああ、これだったら、底のゴムを変えればいいですよ」
お値段は大変リーズナブル。すぐお願いした。待ち時間の20分もスリッパを
貸してくれるので、その店があるデパート内の用事も済ませる。
ああ、よかった靴1足買わなくて済んだわ。丁寧で安くて、うまくてとても気に入った。
2回目 その1週間後。今度は別の靴の脇のベルトが撮れそうになっていることに
これも出先で気づいた。
1回目、気に入った同じ店に駆け込む。違うスタッフが対応。
「ああ、これは、ちょっとすぐには直らないですよ。1日預けてもらえば
できますけど」
「今、出張中で1時間しか時間ないんですが・・・」
「じゃあ、応急処置だけしておきますから、落ち着いたらまた修理に
出された方がいいですよ」といって、先にやっていた靴の修理の手を
止めて、両面テープを使って私の靴の応急処置をしてくれた。
これでまずは十分。今日は乗り切れる。助かった!
「おいくらですか?」
「あ、これはあくまでも応急処置なのでいいです。また今度持ってきて
ください。ちゃんとした修理のとき、いただきます」といって
お金をとらない。
3回目 上記の靴の修理を出そうとそのミスターに向かった。但し
出張先ではなく地元の店に持ち込んだ。出張先では1日も預けられないし
またの機会にと思って、同じチェーンなら許されるだろうと・・。
その地元の店のスタッフの対応も素晴らしく、私の靴を見ながら
「ああ、これは縫ったりできませんし、できる限り、貼り付けること
しかできないものですが、よろしいですか?」
「いいです、できる限りで」
「じゃあ、時間みつけてやっておきますよ」
「お代はおいくらですか?」
「いえ、完全に直らないかもですので、今回は無料でいいです。
また何かあったらお持ちいただければ」
と笑顔で答え、靴を預かってくれた。
半日後、取りに行くと、見た目おかしくないように、きれいに
仕上げてあった。
「できる限りの処置でしたが、これでよろしいですか?」
十分だ。
「はい、ありがとうございます。お金払いますよ、おいくらですか?」
「いえ、今日はいただきません。また何かあれば、お持ちください」
とブレナイ対応に驚く。

この店は靴、カバンの修理、合いカギ、靴のお手入れグッズ、時計のバンドの他
印鑑も扱っており、こんなにバラエティ豊かなサービスをしているとは
と驚き、次回、このなかの何かが必要になったら、
絶対ここに来なくちゃ。地元も、出先でも。
と、すっかりこのお店のファンになった。

損して得とれ。とチェーンの経営方針にあるかどうかは知らないが
ここに駆け込む人は、困った人が多いかも・・。その人には
かなりぐぐっと刺さる応急サービスである。

今回、この店舗に何度か行くことにより、こういった仕事をする
方々にも興味をもつようになった。
道具を大切に、長く使えるようにしてくれるビジネスとは
エコビジネスだ。
感動、感謝、尊敬。
ミスターはなかなかの暮らしコンシェルジュ・チェーンだ。

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