印刷会社で働いていた時代、数々のプレゼン、コンペに企画を出してきた。
指名でいただける仕事ばかりであればよいが、同業がいる限り、比較検討
されるのは、発注側からすれば良い選択の手段だ。
しかし、見積もり競合であれば電卓の世界なので、まだいいが、
企画案自体を出すというのは、本当に骨が折れる仕事なのだ。
企画というのは、見えないから、見えるようにしなければならない。
文章でビジュアルで・・。ある程度作り込んでしまわなければ伝わらない。
受注するための仕事が、実際には、受注したと同じぐらいの労力を費やすことが多い。
しかもコンペとなると、少しでもいいものをと企画制作の担当者は知恵を絞る。
それが採用にならないことが続くと、戦っているクリエイターたちは疲弊する。
勝てば、とれたらうれしいプレゼン。負けが続くと、いろんな意味でのダメージが多い。
今、社会問題になっている某広告代理店のハードワークの実態のひとつには
このようなことがあるのだと最初から思ってみている。
広告代理店とも勝負してきたから、相手の苦労もよくわかる。
さて、そんな準備が大変なプレゼン。
負けたら、悔しい、残念・・とだけ終わってしまっては、かけた労力が
無駄になる。
なぜ、勝てなかったのか。
この理由をできる限り、細かく、担当者にヒアリングすべきであるし、
担当側もプレゼンをお願いした責任として、それはすべきだ。
理由も言わず、「残念でした」では、あまりに中途半端であり、失礼だ。
なぜ落ちたのか、とれなかったのか。対外的にプレゼンした人がちゃんと
原因をわかる限り情報収集した上で、担当者間で反省会をし、次に生かせるよう
改善策を練っていくのが良い。
仕事をしていたら、おのずと結果が出る。その結果が思わしくない、
望んだ結果でなければ、なぜそうなったのかをしっかり敗因を追求すべき。
オリンピックの選手たちは、きっとそのことをきちんをやっているはずだ。
本当はコンペはなくなった方が世の中に無駄な仕事も少しは
減るわけであるが・・。
もちろん競争するから、いいアイデアが沸いたり、クリエイティブが
生まれたりする・・のも正直あるのでなんともいえないが。
いずれにしても、出た結果の原因究明、分析をしっかりしておくことが
大切だ。