灯台下暗しのおもてなし。

思えば、18歳に家を飛び出して35年が経過。なんと月日の流れるのは
早いことかと思う。よくその間、家族たちが元気に、無事に自然に年を重ねて
いてくれることが何よりの宝であり、これ以上ありがたいことはないと
最近思う。
思えば、とくに家を出るとき、妹という存在を、妹が出ていく姉の背中を
どう見るか・・など、考えたこともなかった。
今になって思えば、なんだか罪深い気がしてくる。

親とはそのうち、別れる日が来る。妹は順番でいけば、もっと長くつきあえるはずだ。
そう思うと、ああ、大切にしなくちゃな~と素直に思えてくる。

と、だからというわけではないが、このたび、妹がたずねてきたときに
コーヒーを淹れたり、好きそうなお菓子を入手して出したり、
サンドイッチを作って出してみたりした・・。
すると、妹は美味しい、美味しいと喜んで食べてくれた。

そして、図録を観たりしながら、いろんな作家のことやアートのことも
話すと、興味を持って聞いてくれたのがとても新鮮で・・・。

これまで、何もしてきてないな。
これからは、もっとコーヒーやお茶を淹れてあげたい
これは年をとってもいい楽しみのはずだ。

おもてなしは、灯台下暗しの人たちにも。
改まったこと、大したことではない。

目の前にいる人が心から喜ぶことをすればいい。

こんな発想ひとつで、心豊かなひとときが、生まれそう。

もっとも大切にしなければならないことは、足元にある。

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