最近の旅先(出張先)でのこと。
ある老舗旅館。昭和の時代には栄華を誇っていたらしく、
政府観光登録旅館であること、皇族がお泊まりであったことを
フロント前でしっかり写真とともにアピールしている・・。
そのような旅館は日本各地に時々あるだろうが、
そんな誇り高き旅館。
そこの客室の冷蔵庫。昔はビールやジュースがそこから出されたら
すぐ計算できるように、保存スペースが型抜きされており、
そのビールやジュースしか入らない。しかも1本抜いたら
戻せない・・・というシステム、昔の旅館によくあった、あの冷蔵庫。
それが今もあるのは驚かないが、なんとビールもジュースもなく、
その型抜き状態のまま、電源が入っており
「自由にお使いください」とのシール貼り。
へ?ここに何を入れろというの?何も入らないじゃない。
入れたいのは紙パックだったり、500ミリのペットボトル
なのに・・。
まったく役に立たない冷蔵庫を、放置したまま。
さらにトイレのスリッパは真っ黒で、絶対に履きたくない。
というものが平気に用意され、布団も清潔ではなく、
熟睡を妨げられた。
二度とくるか、こんな旅館、そしてこんな町・・・に
という気持ちをおさえつつ・・・。
ドアのところで
「ありがとうございました」
と丁寧に頭を下げてくれるが、それより先にやることあるよ。
という感じ・・。
次に、ある地方の空港。
最終の飛行機が20時すぎ。
早めに着いたので、ご当地の美味しいものでも
食べてから、搭乗口に入ろうか。
蕎麦にしようか、お寿司にしようか
とわくわくしながら、そのレストラン街に
いったところ、すでに閉店。
まだ、乗客がたくさんいるのに。
せめてあと30分、営業時間伸ばしたらいいのに・・。
空腹であったため、
仕方ない、売店でパンかおにぎりでも・・と
思ったら、売店もすでに早々と
シャッターが下りており、ショック。
ここは共産圏の国営空港か?と思うほど。
でも、お土産物売り場だけは明々とライトが
灯り、営業中。
本当におなかがすいていたので、
すぐに食べられるものはないかと探して、
恥ずかしいが
お土産用の1枚入りの練り物と、
食べきりサイズのおせんべいをしぶしぶ
買って、人のいない椅子を探し、そこで
食べるはめに・・。
この日の夕食はこの地元のお土産を空港のロビーで
食べるという思わぬ事態。
なんだこの空港。
なんだこの町は。
おもてなしって、気持ちよくこの町を
出てもらうことじゃないの?
おもてなし、おもてなしと世間は騒いでいるけれど
実態はこれなのだ。と
改めて思った。
販売するお土産のアイテム数をそろえるより、
旅客が不便に感じないサービス体制を
作ることが先であると思うが・・。
とにかく、その街に少し失望してしまった。
そして、この空港を利用することがあったら
次回からは、どこかで食事してから
ぎりぎりに来るとしよう。
と心に決めた。
しぶしぶいただいた練り物がやけに
ご馳走に思えたことは間違いない。
そして倹約もできた・・が何か
心貧しく、不満の残る帰路になった。
が、その後機内から夜空に舞う花火を
見下ろせたことが、せめてもの
救いとなった。
おもてなしレスの夏は、
ノーサンキューだ。
日本中はこの夏休み、
笑顔生まれる、おもてなしで
満たされますように・・。