このたび、10年以上、開封しなかった箱から、何冊かの分厚いアルバムをみつける。
そのなかには、幼き頃の写真が少々と、20代以降、出張やプライベートで訪ねた
国内外の写真プリントが綴じられている。
丁寧に1枚1枚、アルバムによっては手書きでコメントなども入っている。
20代は30代前半の自分自身の表情、ファッション、その当時の仲間たちの
様子も大変懐かしく、ついつい見入ってしまうが、このアルバムを手にしながら、
当時、自分がひとつの体験を大切に扱っていたように感じた。
どこへ行く、どこへ行った、何を見た、何に感動したか。
当時はフィルムに限りがあり、今のスマホのように無尽蔵に撮り続けることは
できない。1枚1枚大切に撮らねばならない。
写真を撮っても、現像・プリント代にお金がかかるので、考えて撮影していたのだと
思う。
そんななか、残された写真たちは、とても大切な思い出記録だ。
アルバムを見ながら、この十数年、デジタル化が加速してからのわが行動を
振り返る。
カンタンに撮る。たくさん撮る。
カンタンに消す。
でも、これをきちんと編集するなどはしたことがない。
その時その時の感動をきちんと残しておこう・・という気持ちは
昔より薄らいでいるかもしれない。
情報をもっと大切に扱わねばならない。
必要なものと、必要でないものをきちんと随時整理して
丁寧に自分の人生時間を残していかねばならない。
若き日のアルバムを見ながら、人間はもしかしたら、退化しているのでは
と自分が何かと恥ずかしく思えてきた。