小学生の頃、岐阜から名古屋へレッスンへ向かうとき、新岐阜駅改札内にある、
立ち飲みのおでん屋さんの前を毎回通っていた。そしてのれんの向こうには
大人の世界があって、興味津々・・。たまに、夕食をたべる時間がないときは
おでんを2本ほど、母親に食べさせてもらったことが今となっては懐かしい。
その経験のせいか、立ち飲み屋は私にとって親しみある、業態である。
いつかあののれんをくぐって、堂々とおでんをいっぱい食べたいと思っていた。
そして、東京に来たばかりの頃、会社員時代は、立ち食いソバには毎日お世話に
なった。背の低い私には、そのソバ屋のカウンターが高くて、ちょっと恥ずかしかった
のも今は懐かしい思い出だ。
この立ち食い、立ち飲みは、今日さまざまな広がりを見せている。
寿司も立ち食い。ワインの立ち飲み。立ち飲みはわずかなスペースでも開店でき、
経営的にも効率的だ。椅子が要らない分だけ、ぎゅうぎゅう詰めが可能で、お客さんも文句は
言わない。混みあえば混みあうほど、入りたくなる不思議な空間だ。
このたび、何年かぶりに、東京駅のほど近くの立ち飲み屋に潜入。
たこ焼き立ち飲み屋だ。もともと渋谷で火が付いた、たこ焼き屋が立派な立ち飲み屋になった。
昼間から気兼ねなく、飲めるのもうれしい。
さて、平日の19時すぎ。すでにぎゅうぎゅう詰め。しかもヤングサラリーマンが大半だ。
冷たいビールやハイボールを飲みながら、焼き立てのあつあつたこ焼きをほおバル。
「あつあつっ」という会話も楽しく響く。
世が変わっても、軽い飲みにケーションのニーズは変わらない。
立ち飲みもバー、バールといえばかっこよい。
久しぶりにワイシャツ姿の若者たちに紛れて、懐かしい立ち飲み時間を
満喫した。これから、ビールが美味しくなる。