グラン・ルーは、パリで発想し、東京で生まれた。
この目に見えない仕事は、伝え方が難しい。デザイン力が重要だ。
心の観覧車をつくりたい、名前はLa Grande Roueという
フランス語(観覧車の意味)であるが、あえて「グラン・ルー」と呼びたい。
音的にそっちが柔らかくていいと思ったから・・。と、小さくとも、おかしな
こだわり。
パリで撮った観覧車の写真データをもとに、ロゴマークを作りたい。
色は紫と赤を基本に。
19年前にスタートしたグラン・ルーの基本デザインから、その後の全ての
コミュニケーションツールのデザインを担当してくださった、
有難いクリエイティブパートナー、Megumiさん。
会社員時代に出会っていたから、20年以上のおつきあい。
残業中の夜遅い時間に、事務所で名刺交換したような記憶が・・。
その後、脱サラして、さらにおつきあいが深まった。
わりとご近所でもあったので、深夜でも早朝でも打ち合わせに付き合い、何度も修正する
私のつまらないこだわりに耐えてくださった。
名刺からオリジナルカード、ホームページ、イベントチラシ、本、CD、、、。
デザインしていただいたツールはさまざま。グラン・ルーのものに限らず
ある時は台湾企業の、国内の会社などクライアント企業のツールデザインも
お手伝いいただいた・・。
仕事にならないような仕事もあり、本当に申し訳ないことも多かった・・。
それでも、嫌な顔をせず、つきあってくださった・・。
見えない私の思いを如何に伝えるかについて、一緒に考え、必要な
ときはデザイナーとしての見解を表明され、常に妥協のない仕事をされた。
わがライブにも、いろんなイベントにも顔を出し、激励いただいた。
そして・・・
いつしか、もうアラカン、アラフィフとお互い歳を重ねた。
このたび、ご多忙ななか、夜遅く、私の大好きなシャンパンを持って、
訪ねてくださった。
「初めて会ったのが、つい最近のようですね。」
「今尾さんは、東京にいても、いつもどっかへ行ってましたから、これからも
同じ感覚ですよ。」
複雑な気持ちでいる私を、そっと優しく包み込んでくれる言葉。
挨拶をし、帰る彼女の後ろ姿をずっと見ながら、あっという間の23年が
蘇った。
この方との出会いなしに、グラン・ルーは回り始めなかった。
そして、回り続けることもできなかったと言い切れる。
一緒に悩み、喜び、泣き笑った。
一緒に観覧車を回してくれた人。
いつも、私のことばかり聞いてもらっていたような気がする。
これから、新しくまた回り始める。ずっとセンス良く、こだわりを
大切にしながら・・。そうありたい。
これまでも、これからも・・。生涯のありがたいクリエティブ・パートナーに
心から感謝しながら、梅雨の合間の晴天に、さあ、出発。