「しっかり見よ!」と、プロフェッサー・ムーチョ。

先日登場した、語学熱心な中年男性。
「南米で会いましょう」とは、なかなか言えるものではない。
本当に勉強熱心なので、プロフェッサー・ムーチョと勝手に名づけることにした。
「昨日のブログのモデルになっていただきました」
とお知らせすると、またもやスペイン語で返事が来た。
コピペ翻訳なのかどうかは定かではないが、私も自動翻訳してから、
怪しい日本語で内容を想像しながら、再度辞書をひく。
「ブログ見ました。『白髪』となっているところは正しくありません」
というお返事のよう。??中年で、60代後半なので、一目見て
白髪はあってあたりまえ、ロマンスグレーであっても、白髪交じりの・・
と記載しても間違っていないはずなのに、あれ??
と、気になりながら、再び教室。
いつもどおりこのプロフェッサーの後ろに席をとる。
なんだか、やたら髪の色が気になる。
後姿しか見えていないが、まあ白髪はあるにはあるが、確かに白いより
黒いなあ~。
授業後、教室を出るプロフェサーを追いかけ、
「いやー、『白髪』って書いて失礼しました」
「これがとりえなんですよ。自分たちの年になると確かに・・・ですけどね。
うちのおやじも80代で亡くなりましたが、半分黒かったんですよ」
と説明された。確かに前から見たら黒髪だ。
なるほど、そうなんだ。人は、前からもよく見なければいけないし、年代で
瞬間のイメージで決めつけてはいけない。
「相手をもっとちゃんと見なさい」と言われた気がし、背筋が伸びた。
こんな会話を経て、このプロフェサー ムーチョとさらに会話が弾むように
なった。

ツアー旅行はまっぴら、旅はひとりに限る、元気なうちに遠いところから行く。
遠い海外から、近い海外、日本国内、そして最後は東京都内を楽しめばよい。
という構想らしい。
何かと共感できる、この紳士との出会い。

最後、またお会いしましょう。と握手をしてお別れ。
日本でもラテンな出会いはあるもんだ。

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