どこまで本気で顧客目線?で差が出る。

新潟県内を毎日、違う宿で泊まるという週末。
日常の出張であれば、同じ宿を拠点に過ごす方が便利であるが、
今回はどんどん移動していくため、毎日違う宿。
新潟、佐渡、十日町、上越。
ビジネスホテル、政府登録観光旅館、リゾートホテル・・・とそれぞれ
業態が異なるが、いずれも宿泊、食事サービスを提供する。
普段の出張は食事は適当に済ませるが、今回は食事付きという施設も
多く、その施設の力量が全体的に見えてくる。

あるところは、とことんコスパにこだわり、無駄がない。でも、それが
わかっているから、余計な期待もないし、気軽で良い。なんといっても
設備が清潔でスタッフが親切というのが良い。
必要な化粧品をもってくるのを忘れたので、フロントでたずねたら、
「私たちが使っているのをお貸ししましょうか?」
と接客マニュアルには絶対載っていないことを言ってくれる。

あるところは、過去には皇族もお泊りになったようである、老舗旅館。
団体客がバスごと訪れる大型の旅館。
いい時代を過ぎた後、経営にも苦労されていることが部屋に入ったとたん
にわかってしまう。
汚いスリッパ、浴室・・。お金をかけなくてもできる日常の手入れを
怠っている。
なんといっても、布団のシーツを毎日交換していないような・・・匂い。
おかげで夜は眠れず・・・。不満な朝を迎えることになる。
食事は地元の良い食材を使っているようではあるが、
なぜか美味しいと感じない。食材をもってこの町をもっとアピール
すればいいのに。
せっかくの仲居さんの説明がない。
淡々と料理を、運んでくるだけ。笑顔もなければ、質問をすると、
適当にあしらわれる。聞いてはいけないお店なのか・・。
旅の客は、会話も楽しみたいはずなのに。
飲み比べの商品も、説明文を添えて、テーブルにおくだけという
お粗末な接客。
せめて、「このお酒は、どこどこの・・・」ぐらい言えるだろうに。
食事のあとに、施設内のバーでの二次会をすすめたり、
とにかくお金をおとす誘導が優先・・。
接待で潤った、おじさま相手の時代は去ったのに、ここは
時計が止まったような感じだ。
現代のお客が喜ぶサービスとは?についての意識がなさそうな・・。
いずれ、ここは淘汰されてしまわないか・・。
と心配しながら、自分ももう来ないと思ってしまった。

あるところは、この何年かで経営者が代わり、再生された
高原リゾートホテル。
最近では東京から、新潟からの送迎バスも整え、県内外から
多くの客を集めている。リピーターがとても多いのが特徴だ。
ここでは、さりげない楽しいコミュニケーションが心にくい。
家族全員がそれぞれ楽しめるアトラクションの企画を次々
連発し、話題性も豊富だ。
最近では併設のゴルフ場を夜に周って高原に住む生き物
を発見する企画など行っているが、企画の目線がちょっと
面白い。
一番驚いたのは、大浴場の「シャンプー・バー」。
10種類ほどのシャンプー・リンスのセットがおいてあり、
どれでも好きなものを使えるように、小さなカップが
置いてある、シャンプーが選べるお風呂とは初めて見た、
部屋もきれいで、安心して休むことができる。
値段もお手軽。
高級ではないが、何かと気が利いている。

などなど、毎日違う宿をおとずれ、違うもてなしを受けながら
様々な経験を通して、言葉は古いが、勝ち組負け組の存在を
肌身で感じる。
どこまで、本気でお客さんが喜ぶかを常に考え、行動できるか。

どんな仕事も、やっぱり相手目線が一番だ。
「また行こう」と思うかどうかは、ここにかかっていると思う。

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