「一生懸命かけば、伝わるんです」

長年お世話になっている方のふるさと~新潟の南魚沼にある
素敵な素敵なミュージアム。
早く行かねば行かねばと思っていたが、なんせ足がないと
どうにもならない。
そこに展示されている作品を使ったポストカードや、
カレンダー・一筆箋等の文具は以前より越後湯沢駅をはじめ、
文具店などでも見かけ、その絵柄が好きで時々購入したり
その応援団の方からいただいたりして愛用してきているが
なんせ原画を見たことがないことが気になっていた。

そんなこんなでなかなか訪ねることができなかったが、
今回何年越しかの念願が叶い、地元の書家さんのご協力
により、訪問が実現した。
そのミュージアムの名前は「野の花館」。地元在住の画家
外山康雄さんという方が長年描かれた、山野に咲く草花、
山菜が丁寧に展示されている。
地元の酒屋さんの古民家風店舗を活用、高い天井をも生かした
バランスのよいミュージアム。
館の前で立ち止まり、そして中に一歩入った
ところから気持ちが落ち着くから不思議だ。
全館から自然に優しく抱かれているような気持ちになる。
そして愛らしい草花たちの水彩画が、なんとそのモデルである
草花と一緒に展示されているのには驚く。
その草花たちも、それぞれ違う器に活けられ、ひとつひとつ
大切に展示され、草花とともに作品を楽しめるというなんとも
贅沢なミュージアムだ。
作家の外山先生にもお会いすることができたが、なんとも
優しい、まさに道ばたに静かに咲く、愛らしい野花といった
印象だ。そしてご一緒に接客をされるご家族も素敵だ。

日々、新たに描かれる作品も織り交ぜ、何度来ても飽きないように
工夫され、訪れる人へのおもてなしも大切にされている。
もともと印刷会社でデザイナーをされていたということで、
印刷会社時代の様子が目に浮かぶ。二足の草鞋から脱サラ
され画家生活をはじめられ、今年で開館15周年とのこと。
「一生懸命かいていれば、伝わるんですね」
その言葉が静かに心に響く。
なぜか先生やご家族と接しているうちに、ここを応援したいと
いう気持ちになってくるのも不思議なこと。
早速、その日の午後に、違う人とともに再度来館した。
一日に二度も訪問する美術館というのは初めてだ。
ライフワークとビジネス。両立が難しいが、真似はできない
が、素敵な人生のお手本のひとつを見せていただいた。

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