感動を発掘する喜び

東京で暮らす一番の魅力、良さは芸術鑑賞・体験の機会が多いという点。
ショッピングやグルメや・・・よりも、実は学び・感動の機会が豊富である
という点が気に入っている。
しかもメディアに取り上げられやすい有名なものではなく、あまり知られて
いない作品などを企画展示していることも多く、それをたまたま見つけたり
すると得した気分になり、心も豊かになり、幸せになる。
今回、目黒区立美術館で開催している板倉鼎・須美子展に足を運んだ。
たまたま見たポスターでの作品の女性の顔とオレンジのドレスの色合いが
日本人の作品ではない、西欧的なメリハリを感じ、興味をもったのが
きっかけだ。
この夫妻は明治時代に活躍した。与謝野鉄幹・晶子が仲人だったというから
やはり芸術家にふさわしいお家柄。鼎氏は千葉出身、夫人は都内でしかも牛込
にいたというから、勝手にご近所感をもってしまう・・。
さて、特筆すべきは二人の日本人的ではないセンスであるが、
夫婦で描いた作品というものがユニークだ。夫婦で仲良くパレットを
もってひとつの作品を描くとはどんな幸せな仕事・・・。
鼎氏単独の作品と、夫妻で手掛けた作品両者をみられるのも面白い。
さて、この夫妻。両者とも20代で人生を終えている。
なんとドラマチックというか・・人生はやはりわからないものだ。
いろんな人生をいろんな作品を通じ、そこから生きる力や
真に美しいものを知り、自身の生きる糧にする。
感動を発掘しながら、いろんな人生を学ぶ。
芸術とは作品の技巧を鑑賞するだけではなく、その作家の
人生そのものを想像することで、より味わいも深くなる。
さあ、もっともっと発掘の旅を続けよう。

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