昭和の広告を学ぶ。

やっぱり昭和生まれだからなのか、それとも、平成になってからの世の中の想定外の変化に
いろいろ思うところがあるせいか、自分が年を重ねてきたせいか・・わからないが、ともかく
「昭和」への郷愁が深まる一方だ。
そんななか、たまたま初回の東京オリンピック時に「パラリンピック」のポスター制作を
手がけられた高橋春人というクリエイターの展覧会を知り、九段の昭和館に足を運ぶ。
「へ?前のオリンピック時にパラリンピックという言葉があったんだ」このことも衝撃
であったが、この高橋春人という方が手掛けたポスター類に感心する。

公共広告を主に手掛けた人のようで、赤十字、募金活動、生活保護法・・・などなど
当時新しく始まった公共活動の啓蒙、普及についてわかりやすいコピーと伝わるデザイン
で数多くの作品を残している。これらが街角や役所などに掲示されていた昭和の時代を
創造し、数十年前のグラフィックが決して今も古くなく、新鮮に心に響いてくる。
広告・広報というコミュニケーション手法がまだ目新しかった時代、戦後の社会変化と
ともに、伝えるべきことが多かったはず。いかに伝えるかについて、気をてらうことなく
真面目に考え、ストレートに表現しているところがとても好感をもつ。
この展覧会は5月7日までの開催であるが、この九段下の昭和館は、いろんな意味で
懐かしき時代を味わえる、日本らしいミュージアムのひとつだ。
昭和時代のクリエイターたちのコミュニケーションスピリットを今一度、吸収
しておきたい。ああ、懐かしき、昭和よ、永遠に・・・。

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