社長が心を開くとき。

ある事業者さんが、地元の金融機関からの紹介で、私が担当する広報相談会に来られることがある。
金融機関がお取引先のお客様に、「こういうのがありますよ」と、紹介し、申込も代行、そして
同席されるというケース。
金融機関も企業支援にますます積極的だ。そのおかげで、これまで出会うことがなかった事業者さんに
出会えることもあり、こちらとしても大変ありがたい。
その金融機関担当者同席のもと、1時間ほど、お話をして、そろそろおしまい。というときに
企業さんが、その金融担当者のことをこういった。
「これまで、どこの人も、私のことを「社長、社長」と呼んで、ちょっと気に入らなかったのですが
彼は『〇〇さん』と、私の名前を呼んでくれたんです。だから、『お、これはいいと信頼しようと
思って・・・」
本人の前での発言。その金融担当者はその言葉をきいて、思わず「やった」というガッツな顔になった、
そうか、金融機関の渉外担当者が、企業の社長さんに対して、名前(苗字ではなくあくまでも
名前)で呼ぶということだけで、こんなに経営者の心が開かれるのか。
だから、「この人がいうから行ってみよう」と、この相談会にも来てくれたのかもしれない。
と思うと、この渉外担当者の一言は、私にとってもありがたい。
若い青年であったが、なかなか人の心がわかる人だ。
ある健康サービス事業をやっている企業は、世の奥さまをひとりひとり、下のお名前で呼ぶ
ことで、人が集まるようになったと聞いたことがあるが、世の中、男でも、女でも、
「社長、お父さん、お母さん、先生」ではなく、
名前を覚え、呼んでくれることで、心が開くものなのだ。
人として接するということが大切なのだ。
本音で語れる、悩みを聞き、一緒に解決を目指すには、この入口は大変重要だ。

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