テレサテン。
彼女に会うことは叶わなかったが、憧れの歌手、そして尊敬する女性であった。
台湾での仕事の契約が更新できたときは、毎年、彼女が眠る金宝山という高台の
墓地に行き、お礼を伝えに行った。
台湾の仕事ががんばれたのは、彼女が見守ってくれているからだと勝手に
思っていた。
42才で亡くなってから、18年になる。
グラン・ルーの歴史と重なるのも不思議だ。
彼女は今、生きていたら60歳。今年は生誕60周年とのこと。
彼女は7歳上のお姉さんだ。
歌姫であり、国際人であり、自由を愛する活動家でもあった。
単なる歌手ではなく、歌に想いを、愛を込めていた。
だから、人々の心に深く伝わり、その響きは永遠なのだ。
気が付けば、私はテレサテンが亡くなった年よりも10年以上
年を重ねた。
無駄に生きてきていないだろうか。
久しぶりに彼女が歌っている映像を見て、自分の20代、30代前半が
蘇ってきた。
無駄に長生きするもんではない。
惜しまれていくぐらいがちょうどいい。
彼女が亡くなったときに、なんという宿命かと思ったが
その人生の終わりまでも尊敬していた。
テレサの歌を聞きながら、改めて、自分ができることについて
考えさせられた。
何をもって、何を伝えるのか。
それが人生において、大変重要だ。
テレサの眠る、あの町に今再び行きたくなった。