世田谷の美術館で、花森安治の展覧会をやっていると知り、
急ぎ出かける。これは編集の仕事に何等かのカタチでかかわった
ものには、興味がつきないコンテンツ。
この感動には別途触れるとして、たまたま併設されていた
1986年というテーマの常設展にも注目。
なんでも、この世田谷美術館が
その年に開設したということでの、1年遅れのアニバーサリーのような
企画であった。
私は、実はその展示内容以上に、この1986年について忘れていた
記憶を取り戻した。
その展示のはじまりに、1986年からの社会年表と美術館の年表が
展示されており、1986年とは、まさに男女雇用機会均等法が施行
された年であったのだ。
そのことを忘れていた。
その年に、私は就職をした。会社に入社した。
男女同じ給料をいただける、代わりに男女同じ仕事をする。
という大変気持ちのよい、納得できる社会になったもんだとおもいながら
誇りをもって入社した。
入社式がはじまるこの4月3日に、ふと、1986年の4月の自分を
重ねていた。
思わずそのときの入社式の写真を探してみる。
あれから、まる30年。
ああ、老人施設にいる上司に会いに行かなくちゃ。
私の仕事人生は、1986年から始まったのだ。
初任給は忘れない、123000円だった。
ここでも、123であり、記念すべきお給料だった。
春は初心に帰る、いい季節。
満開の桜が、日本の新入社員たちにエールを送っている。