世の中には、モノ・コトをつくる以上、それを売る人がいる。
それは、「販売」という「営業」という仕事。
それを生業にしようとする以上、
営業なしには、売買・ビジネスが成り立たない。
今もよく覚えている。
印刷会社につとめている20~30代の頃、「営業は第一線だ!」と、
当時の営業部長が会議や朝礼で、営業マンを鼓舞していた。
営業という仕事がなかったら、仕事をとってくる人はいないんだぞ、
売り上げがたたないんだぞ。だから営業はえらいんだ~。
ぐらいの勢いであった。
個人的には、製造部門であろうか、管理部門であろうが、社員全員が
営業、広報マンでいるぐらいの気持ちが必要だと思っているし、
営業だけがえらいんじゃないよと、いつも思っていたが、
いいもの・技術があっても売れなければ意味がないわけで、
とにかく、企業存続のためには、「営業力」が重要だ。
最近、たまたま車のセールスマンの方とやりとりすることがあり、
営業とは、とことんサービス業であるということを、実感した。
大方のお客は、昨今はネットで情報を得てから、販売店に電話で
コンタクトする。もちろんメールでの問い合わせもあるだろう。
そのファーストコンタクトでの対応が大切だ。
そしてそこからやりとりがはじまる。もしくはそこで終わることも
ある。
今回出会った営業担当者は、最初ショールームを訪問した
瞬間から印象に残った。
見た目は嫌味なく、でもそこそこのセンスは必要で、
控えめであるが、いい感じを醸し出す人物であった。
そう、営業は自分がどう見られているかを常に意識している
ことが、まず重要だ。
人を見て、信頼したり、がっかりすることは多い。
そして言葉遣い、目線。いけいけの押し売りではなく、
やんわりソフトな受容力。挨拶、目線、しぐさ、言葉、見送り
のすべてでその人の印象すべてが決まる。
そして、なんとなく、余韻に残る人・・・これは重要だ。
今回この営業マンとメールや電話、面談含め2週間ほど
のやりとりをしたが、最終的に思ったのは
「いい距離感をつくることができる」ことが営業には大切だということ。
そして、もちろん売るもの、コトによるが、一回の商談が終われば
仕事が終わりではなく、そこから関係が始まることが大切で、
長く愛用してもらえることで、リピーター、ロイヤルカスタマーに
なる顧客も少なくないはずだ。
商品が良いという大前提に加え、売る人の力、それはコミュニケーション
力であり、サービス力だ。
今も、その営業マンが見えなくなるまで、ずっと見送っていた
姿が焼き付いている。
営業なんだから、当たり前のことではあるが、その行動に心がこもって
いるからこそ、伝わる。
サービスとは、値引きをすることだけではなく、
いい関係づくりができること。
いつも人生は営業であると思っている。
だから、いろんな人に出会うたびに生きる営業のヒントを
いただけることがうれしい。