3月もあと1週間を切った・・・と、せわしない朝を過ごしていると、見慣れない名前の差出人からのメールが舞い込む。
正直、最近、不快極まる迷惑メールに手をやき、届くメール確認も慎重になっていたが、このメールは違う。
名前は、Miguel Angel Kaczka。
パッと見て、あ、これはアルゼンチンからだ、しかも聞き覚え、見覚えのある名前だと判断する。
本文を読んで、その判断が正しかったとうれしくなる。
この差出人は、添付にある、ブエノスアイレス在住のおじさま。そう、タクシードライバーのミカエルさんだ。
彼には2回会った。2回とも尊敬するタンゴ歌手のお墓に連れていってもらった。
その彼から、初めてのメールだ。確かにそのお墓に行った運転手ですと書いてあり、またこの町に来たら、いつでも案内を
させてくださいね。という文面だ。
最後に会ってから1年近いと思うが、なぜかメールが届いたことが、とってもうれしくなった。
地球の裏に住んでいるタクシードライバーが、何をきっかけに私にメールをしようと思ったのかと想像する。
その墓地を今日通ったのかな、何か帳簿のようなものを見てあ、1年だなと思い出したのか・・などなど。
今はブエノスは夏を過ぎ、秋に向かう頃だ。
全然忘れていた方からの思いがけない遠方からのメールはとてもうれしい。
すぐ写真を添えて返信をする。
決して高級車じゃなく、どちらかといえばちょっと古い車であったが、元銀行勤めをしていたミカエルは英語ができて
とても助かった。
ああ、ブエノスアイレスの空気を思い出し、懐かしくなった。
地球の裏のタクシードライバーから。
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