玲子さんは、もともと元気いっぱい、サービスいっぱいの
佐渡のケーキ屋さんの女将さん。
旦那さんと二人三脚で、佐渡の食材を使ったお菓子を作り続け
ひところは、旦那さんが地元でお菓子を製造、
玲子さんが首都圏の物産展などで佐渡のPRをしながら
一生懸命に売り歩いた。
あまりのサービスぶりに、商売大丈夫か?と心配になることも
あったが、それでも玲子さんのお人柄にお客さんが
引き寄せられる。
私が会ったのはもう10年ほど前のこと。後楽園の
ホールでの物産展で紹介を受け、翌日には「パッケージの
相談をしたい」と電話があり、その強引にも見える
熱心さに負けて即日会いに行った・・。
そこからのご縁。
佐渡に行くと、いつも仕事場(相談会)に来て、
毎回いろいろ相談してくださった。
そのときには、いつも差し入れをもってきてくれる。
とにかく、元気いっぱい、情熱いっぱい。
そして佐渡で生まれた「しまチーズ」は、菓子業界の
名誉ある賞を授かり、新聞各紙にも出るようになり・・。
そんな矢先、玲子さんが倒れ、生死をさまよう期間が
あった。
もう会えないのではと、佐渡に行く機会にはタクシー
を飛ばして(?)お店に行ってみたが、シャッターが
閉まっていて、本当に心配していた・・。
その1年後だったか、玲子さんが復活した。
そして徐々にお元気になり、だんだん元通りになった。
よかったよかったと思っていた昨年の秋。
年賀状もいただき、そしてこのたび、東京出展の
案内ハガキ。
5年ぶりの東京物販の試みだそうだ。
「年金をもらう年齢だからこそ描く、未来への夢」
とハガキに書いてある。
そして「5年ぶりの東京の営業です。不安と戦いながら
ちょっとがんばってみようと思います」
とも・・。
これは、顔を見に行かねばと移動時間の合間に途中下車。
元気で少しふっくらした玲子さん、とても喜び応対してくれた。
久しぶりに佐渡のお菓子を買う。
売るためではなく、つなぐために来たと聞いて、
安堵する。
帰って買ったお菓子の袋を開けたら、おまけのお菓子が入っていた。
その代わり、買った商品の数が足りなくて、
あ、これも玲子さんだと一人笑う。
3月20日まで、表参道ネスパスで元気に佐渡のお菓子の
試食をすすめている。