枯れても、飾ってもらえるお花。

前書いた、父の同級生の、電気屋のおっちゃん。
(偶然にも、先日訪問したメーカーの系列店であったことがわかって、驚いたが)
亡くなられて1週間が経過。遅くなったが、ご自宅にお供えのお花を届けた。
白いお花にほんのり紫色のお花を混ぜてもらって・・・。
この色味のアレンジメントをプレゼントするのは、なんとも寂しいものだ。
「あ、まさこちゃん~、この前はお花、ありがとうございました」
もう1か月以上前に届けた小さなお花のことだ。
「へ?もう枯れてますよね。」
「いいの、まだ飾ってある」
そうか、おじさんの最期を、あの小さなお花は見守っていたのか・・。
「もう変えてくださいね。今日もお花、もってきましたから」
と、玄関に出てくれたおばさんは、世界一悲しいはずなのに、
ご葬儀の後処理などで忙しく、割烹着を来て、思いのほか元気に見えたが、
気が張っておられるのだろう。
おっちゃんが理解ある人だったから、このおばちゃんは、ひとりで京都まで
電車に乗って私のライブに駆けつけてくれたこともあった。
未亡人となったおばちゃんが、いつもどおりにされていることが
かえって心にしみた。

この電気屋さんは主人なきあと、営業を続けることはできないだろう。
やっぱり、先日訪問したばかりの、電球工場の終息とタイミングがあまりに
合って・・・なんともたまらない気持ち。

おっちゃんの最期に寄り添い枯れた花。
おばちゃんが捨てられないと思う気持ちがなんだかわかって・・・。

改めて、長年ふるさとライブを支えてくださった
電気屋のおっちゃん、田中さんに心から感謝し、
ご冥福をお祈りしたい。

残された父が、寂しそう・・。しょうがないね、それが人生。
花も人も・・枯れ果ててしまうね。
その日まで、生きてるものががんばろう。

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