作家の内館牧子さんの講義を受講する機会を得た。
相撲への貢献はじめ、小気味よい、冷静かつユーモアと示唆に
飛んだ文章や語り口は以前から好きであった。
テレビドラマはそんなに見ないが、作家としての考え方について
触れることができ、これはシナリオに限らず、創作する、創造する
仕事に共通の、大切にすべきことを学ばせていただいた。
そのなかでも、「発想」について。
内館さんが話されたことを踏まえながら、自分なりにこのことについて
考えなおしてみる。
「発想」とは。
作家ならば、何を書くか・・ということになる。
モノづくりをする人であれば、何を創るか・・ということ。
伝える仕事をしている人であれば、何を伝えるか・・ということ。
そう、創造の「WHAT」探しだ。
そのネタがなければ、何も生まれない。
ネタを得るには、まさに24時間365日のマーケティング発想が必要で、常に
楽しみながら、生活者としての読者としての、視点を持ち続けながら、
そこに「引っかかる何か」を見出すことが大切なのだ。
「あ、面白い」「あ、なんだろう」「これ、いける」
と思えるものに出会うことが必要なのだ。
この出会いは、実は特別な行動をするという必要はない。
いろんな世界や周囲の人に目を向けるだけでいい。
しかも現在だけでなく、過去の経験もネタになることがある。
昔気が付かなかったことでも、何十年も経ったあとに、
ふと気づくことがある。
内館さんの「終わった人」には、ご本人のこれまでの過去の経験の
中や周囲の人から得た発想がぎっしり詰まっているとのこと。
そして、その発想のキャッチ力があれば、誰にでもいい作品を
創ることができる。(もちろんそれ以外の力も必要であるが)
発想。みずみずしい感性で常に世の中を見続けよう。
ヒントはそこにも、ここにも、昨日にも今日にもごろごろして
いるのだ。