バレンタインは本来、キリスト教の厳かな祈りの日である。愛を告白する日として次第に世界に
定着してきたが、キリスト教国ではない日本での過熱ぶりは世界でも類がない。
そして、いつの間にか愛を告白するといったもともとの意味が拡大解釈され、感謝を告げる日として
ギフト市場をにぎわすイベントとなった。
欧米のバレンタインは、男女どちらが贈りものをしても良い。
またホワイトデーは、海外には存在しない。
日本特有のお返しビジネスの日が、ホワイトデーという表現になった。
日本人はもともとおもてなしができる民族であり、
気持ちを形にして表現することは得意である。
その一方、言葉で直接伝えるのが下手、苦手という一面もある。
そんな点からも、バレンタインデーという日はちょうど都合がいい。
何にもないのに伝えるのは、恥ずかしいが、今日はいいだろう。という
感じだろう。
クリスマスも然り。パーソナルギフトに慣れていない日本人には
このプレゼント交換もハレの日なのだ。
日本人におもてなしの気持ちがなく、またコミュニケーションがもっと
上手だったら、このバレンタインという行事は存在しないかもしれない。
それにしても、その行事を大きなギフト市場にしてしまうという
ビジネス力は凄い。
伝えベタだからこそ・・生まれたバレンタイン。
もはや、今は伝える日ではなく、チョコ好きのためのチョコを
愛でる日になっているようではあるが・・・。