違う世界での長い1日を経て、いざ本番。

演劇公演の本番に向けて、舞台づくり、照明、音響・・を整えるための
準備。台本で見ていた世界が見える化されるという感動の一コマ
・・といってしまえば簡単であるが、その仕込みに1日かかる。
その舞台で稽古できるのは、夜遅くなってから。
役者たちも舞台づくりや小道具、当日準備を手伝うため、
実際の稽古以外でほぼ1日が終わろうとするあたりで、やっと照明テスト
を兼ねた場当たりという作業に入る。
その稽古にもさらに1日を要し、やっとゲネプロというリハーサル。稽古の総仕上げ。

とにかく準備に時間がかかるのが、演劇だ。
ゼロからひとつの世界を作り上げる。構想する人がいて、それをスケッチする
人がいて、それを実際の舞台に作り上げる人がいて。チェックする人がいて、
演ずる人がいて・・・。
しかも、ビジネスの世界では何事も予定どおりにいかねばならない、オンタイム
を当たり前とするが、この世界はクリエイティブであるがゆえに、時間どおりに
いかないのが当たり前。
この時間感覚にもだんだんと慣れてきて、ああ、下北沢で生きる人たちには
こういったリズムがあるのだと思い、普段の自分をある意味、不思議にも
思う。
作品のなかに「・・・・こんな一日」というセリフがあるが、まさに
今、下北沢で「・・・・こんな一日」を毎日過ごしている。
1週間、違う人生を生きているかのような・・。
その1日のなかで、演劇というアートがより完成に近づいていく。
長い一日を経て、本日、いよいよ初日。今日も長い一日になる。
ひとりでも多くの方に、観ていただけるように。そして観客にも演者にも素晴らしい経験となる
ように・・。お待ちしております!
グランルー公式サイト 中ノ嶋ライト詳細

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