心を開く、「ラジオ」というメディア

ワシントンで20年もの間、毎朝番組を担当してきたダイアン・リームというキャスターが
80歳にて引退。彼女は自分の主張を言い過ぎず、相手の言葉をまずはよく聴くという
姿勢、穏やかな語り口調が人気で、ワシントン中のタクシードライバーが聴いていたそうだ。
引退は高齢のためであるが、この時期にアメリカが分断されつつあることを憂い、彼女は
番組終了にあたり、リスナーに寛容なこころをもち、聴く耳をもつように、違う意見をもつ
相手であっても相手の話を聞くことの大切さなどについて、穏やかに語った。
OPEN MIND。心を開くことの大切さ。これが大切であると。
そして今やメディアの力は十分ではないが、ラジオは心と心のコミュニケーションツールである
から、それを大切にしていきたいという話も。
英語であっても、なぜか一言一言が心に染み入る、素敵なトークだ。
ラジオは見えない故に、耳で言葉をしっかり聞いてもらえるメディアであるという点に
魅力、強みがある。
今こそ、心と心のコミュニケーションを。目ほどインパクトはなくても、内面の奥底に
響き、記憶には残るのだ。素晴らしいキャスター、もっと早く知っていたら良かった。
これからは週一度ネットで番組を担当されるとのこと。
ぜひ聴いて、勉強させていただきたい。
放送最後の朝、局のスタジオには多くのファンが訪れた。
ありがとう、というリスナーの手書きボードが心に響いた。
軽快で面白いラジオ番組もいいが、静かに諭してくれる存在としても大切だ。

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